ほぼほぼ日刊『萬田慎之介のマスコミ内定ブログ』 -15ページ目

4、新聞を効率的に読みこなす

新聞を効率的に読みこなす

筆記の対策として、日々新聞を読むことが必須だと記載した。
それでも、毎日欠かさず新聞を読み続けるのは負担が大きいと思う方も多いだろう。

その通りで、毎日隅々まで読むのは非効率である。
つまり、マスコミの筆記試験対策としては間違っている。

新聞の読み方にもテクニックがある。以下にいくつかテクニックを書くので、しっかり身に着けて応用してみて欲しい。

①、「リードに目を通す」

リードとは、大きな見出しの次に書かれている文章のことである。
その事件についての概要などをまとめたもので、この部分を押さえておけば、いつ・どこで・だれが・何をしたのかを把握することができるのである。

普通、見出しはインパクトのあるものがついているので、リードでしっかりと内容を確認すること。すべての記事に目を通す必要はないが、すべてのリードには目を通す必要がある。

見出しの後に書いている記事、つまりリードは記事をすべて読むか決めるための必須アイテムと覚えて欲しい。

②、「内容を理解できるところまで読む」

新聞の記事は重要なことから順番に書いている。
これは、新たな事件が発生したときに、挿入するスペースを確保する意味合いがある。

緊急でニュースが入った場合は、重要度の低い記事の最後の段落を削除する。段落を削除しても、読者に意味が通じるように新聞は制作されているのである。

手元に新聞がある方は、手にとって確かめて欲しい。新聞記事は重要な事実から書かれており、読み進めると事実の裏づけや、ディティールが書かれているのである。

つまり、記事すべてを読めばその事件のディティールまで知ることができるが、筆記試験ではそこまで知っている必要が無いのである。

ある程度、情報を理解できたところで読むのを止めてかまわない。その分、脳の容量をほかのインプットに使えるし、浮いた時間を有効に使うことができるのである。

これは、新聞の切り抜き集である新聞ダイジェストでも同じである。すべてを読む必要はない。情報が理解できたら読むのを止める。これが効率的な読み方である。

③、「試験にでる記事を選択する」

試験に出る記事がわかれば苦労しないという方もいるだろう。
しかし、ある程度なら、試験に出る記事を絞り込むことができるのである。

それは「確定した事実」しか試験にでないという理由からである。

確定した事実とは何か。「消費税十パーセントに増税か?」という記事は確定していない事実である。「消費税が八パーセントに。四月一日より施行。」というような記事は確定している事実ということになる。

審議中の法案についての記事は筆記試験には出ない。試験を作るのは試験日の何週間も前である。流動的な事象を試験に盛り込んでしまうと解答が変わってしまうおそれがあるためである。

他に経済関係の記事なら「産業再生機構の支援を断る」ではあまり試験に出ないだろう。断ったということは、過去も未来も結局変わっていることが無いからである。

何かの出来事で変わったということが確定している記事だけ覚えておけば十分なのである。それ以外は注意して読む必要が無いのである。

この「確定している記事」を読むことで、読みこなさなければいけない記事の分量も大幅に減らすことができる。

新聞を読んでいるとスポーツ面とか文化面に興味を惹かれるが、試験にはあまり出ないということを覚えておいて欲しい。スポーツなら誰がいつ優勝したか。オリンピックに出た選手の名前などしか出ないだろう。

あまり面白く感じない政治・経済の分野では、確定している事実が多く載っている。銀行が合併するとか、大臣就任など。興味を持てないと面白く感じないと思うが、この確定した事実だけはしっかり頭に入れておくべきである。

そして沢山の記事を読むことで、勉強した気にならないこと。

覚えなければいけない記事をしっかりと取捨択一し、効率的に対策することが内定への近道である。

④、「グラフ・図をチェックする」

大きな事件や、重要な出来事にはグラフや図が使われている。
新聞各紙は自社で図を作っている場合が多く、担当者も工夫している部分である。

朝日新聞ではグラフの隅にローマ字で社名も入れており、力を入れていることがわかる。このグラフ・図をしっかり記憶すること。

このような図には、現在・未来の出来事だけでなく、過去の事実も含まれているからである。銀行が合併すると、数年前までさかのぼった合併の概略が載る。さくら銀行と住友銀行が合併して三井住友銀行になったとか。

最近では合併して誕生したUFJ銀行が新たに合併を計画しているが、この合併が実行・完了された場合はマスコミのテストに出る最重要記事になるだろう。

その場合、過去の合併情報まで覚えておく必要があるが、グラフや図をチェックすることでこの対策を行えるのである。

他に、戦争・紛争では国境を越えており、紙面にも地図が掲載される。
記事に登場する国名だけでは記憶に残りにくいが、地図などを視覚で捉えることで記憶に残りやすい効果もある。

図やグラフは重要な記事についていることが多いということを覚えておく必要がある。

⑤、「語句の説明をチェックする」

新聞各紙では、難しい言葉やわかりにくい言葉に説明をつけている。

たとえば、プライマリーバランスとか、コンプライアンス、BSEのような聞きなれない語句に説明をつけている場合が多い。

この説明は記事の中に記載してある場合よりも、違う紙面に語句解説コーナーを設けおり、その中で解説している場合が多い。

朝日キーワードなどの解説書で調べるということでも良いが、せっかく紙面で説明をしてくれているので、これをチェックしておけば手間も少なく効率的である。

記者が重要だと思っている語句を解説しているため、採用試験で出題される可能性も高いのである。

3、時事ニュースの対策法

時事ニュースの対策法

マスコミ各社の筆記試験では、時事ニュースについての問題が多いことは読者のみなさんも知っているだろう。

新聞、テレビ、雑誌、ラジオやインターネットで最新のニュースに触れて、情報を仕入れることが必要になる。

時事ニュースの勉強には、テレビで報道番組を見ていれば良いという人もいる。しかし、それだけでは不十分である。

効率的な勉強方法ということで、テレビを使えば良いということかもしれないが、根本的に情報量が少ないのである。

アナウンサーが読んでいる言葉を原稿用紙に書き出せばわかるが、一つのニュースにつき原稿用紙2枚から多くて4枚くらいだろう。

これでは、事件が起こった事実は把握できるが、ディティールを把握できる情報量ではない。新聞を読む行為は少し時間がかかってしまう。

ここは、「アナウンサーが読む原稿より情報量が多いために、自分で読む時間もかかってしまうんだ」と割り切って欲しい。

沢山の新聞が発行されている中で、対策に適した新聞は?

この質問は受験中の学生から質問をうけることが多いので、ここでいくつか選ぶためのポイントを記しておくことにする。


■どの新聞を選ぶか

①、自分が読み慣れている新聞がベストである。自宅で取っていて昔から目にしている新聞を読むということで問題はない。

②、新聞社の紙面には各社の論調が反映されている。自分の考えに会わない新聞を読んでいても面白くないだろうから、各社の論調を調べてみるのが最初の段階である。

③、讀賣新聞と朝日新聞はページ数がほぼ同じくらいである。しかし、毎日新聞は輪転機の性能の違いで数ページ少ない作りになっている。毎日新聞の利点としては重要なニュースを効率的に押さえておくことができること。しかし、載っていないニュースにも別の対策をしておく必要が発生する。

④、讀賣新聞は部数が新聞社の中で一番多い。すなわち部数が日本一多い新聞である。マスコミ以外の会社を受ける場合は、面接官が読んでいる可能性が一番高い。一般企業の時事ニュース対策もしようと思っている方は、讀賣新聞の部数の多さで決める人も多い。


新聞を日々読み続けるのは、かなり面倒だという人もいるかもしれない。
こういう面倒くさがりの人はそもそもマスコミに向いていないのかもしれないが、筆者も怠け者であるため対策法を書くことにする。

新聞ダイジェストという月刊の書籍がある。これは、新聞各紙の重要ニュースをまとめたもので、マスコミ受験者の中では知らない人はいないというくらい有名なものである。

筆者は購読している新聞の他に、新聞ダイジェストも毎月購入していた。

日々新聞を読んでいても忘れてしまうニュースもあるし、新聞ダイジェストは書籍形態で保存しやすい。蛍光ペンで線を引いたり、保存・確認用として使うには最適である。

新聞などで、知らない言葉があった場合はどうするか。これは、キーワードの解説本が各新聞社から発行されている。

朝日新聞で言えば、朝日キーワード。共同通信など通信社からも発行されているので、見やすいものを選んで一冊購入すると良いだろう。

マスコミの試験勉強をしていると、たまに朝日キーワードを丸覚えしようとしている人と遭遇する。

この対策法は時代背景と情報がリンクしていない。
効率的な勉強方法とも言えないだろう。

まことしやかに間違った情報も伝えられることがある。しかし、自分の勉強方法を信じて対策して欲しい。

キーワード本は読み物ではない。
わからない語句を調べるときに使えば十分なのである。


筆者は、新聞ダイジェストを読む時に、必ず片手に赤色のマジックを持っていた。

読んだ文章には片っ端から×印でチェックする。大切だと思う記事には○印をつけておく。覚えておきたい語句や大切だと思う単語には線を引いておいてキーワード本でチェックしていた。

蛍光ペンでは後で読み返したときに判りにくいので赤マジックを使うことをお勧めしておく。