ほぼほぼ日刊『萬田慎之介のマスコミ内定ブログ』 -6ページ目

■雑記 「言いたいことをいえるか」よりも「自分を深く知ってもらえるか」

「言いたいことをいえるか」よりも「自分を深く知ってもらえるか」が大切

面接を何回も経験すると、面接の内容や雰囲気、
出来、不出来に関してナレッジがたまる。

そうすると「前回よりも・・・」、「あの会社の面接の方が・・・」
というような反省もできるようになる。

しかし「言いたいことの●●%も伝えられなかったよ」という
思いがよぎったら、もう一度、基本に戻る必要がある。
(言いたいことの何%も言えなかったという発言は良く聞くものである。)

「言いたいことを伝える」ために会社まで行って、
面接官に対峙して、緊張しながらも真剣にナゼ話をしなければならなかったのか。

「自分を深く知ってもらう」ためではなかっただろうか。

言いたいことを伝えるのは大切なこと。
でも独りよがりになっていないか、もう一度基本を考えるべきである。

コミュニケーションは一人で話すことではない。
面接官という相手がいて、想いを伝える、自分を深く知ってもらうことが
一番重要である。

「HOTEL」(高島政伸主演のドラマ)の東堂マネージャーのモデルとなった人で、窪山哲雄さんという人がいる。
(現在:ザ・ウィンザー・ホテルズ インターナショナル社長)

ホテル運営の哲学として、
「人を集めるか」より「人に深く愛されるか」が大切
と語っている。

サービス業は、コミュニケーションが基本の産業である。
面接もコミュニケーションが基本。
同じコミュニケーションの哲学として、上記の言葉から学ぶ価値が沢山ある。

「面接官に沢山話せるか」よりも「面接官に深く愛されるか」が重要。
もっと落とし込むと、
「言いたいことをいえるか」よりも「自分を深く知ってもらえるか」が大切だということになる。

「言いたいことを言えない」のは、
出来の良い面接と感じないし悔しいかもしれない。
でも、「想いが伝わらない」面接のほうがもっと不幸ではないだろうか。

面接の反省をするのなら、後者の出来をしっかり確認する方がよっぽどためになる。
小手先の反省をしないこと。

そして面接の回数を重ねるごとに、自分の「想い」もバージョンアップさせて、
その「想い」が伝わっているかどうかを確認する。

これを強く意識することで、就職活動のマイナススパイラルに、
はまり込むことをしっかりと防ぐことができるのである。

■雑記 フジテレビ「就職の神様2005」の内容と解説

フジテレビ「就職の神様2005」の内容

見逃した人も多いようなので、簡単に内容に触れながら思ったことを書きます。

番組のコンセプトがガチンコで面接をさせるというもの。
正直言って、周りで何十人の観客学生(全員スーツ)がいるなかでは、
本来のパフォーマンスが出せないのも事実。

逆に言えば、この中でかなり高い評価を得られる人は
実際の場面でも強いだろうと言うこと。

企業は「フジテレビ」「日産自動車」「住友商事」「NTTドコモ」の4社。
各社2人の社員が参加なんだけど、人事に深く携わってない人も。。
一次面接で出てくるような方々ですね。

学生も実名ででているんでしょうから、一人一人にコメントはしませんが。
やっぱり、この人は面白そうとか、迫力あるなっていう人は他の人と違って可能性を感じますし、
複数学生のG面接とかだと、際立ちます。
しっかりとしたアピールが必要ですね。

住友商事の人事部次長・仲野氏は、「場を読む能力」という表現を使っていました。
僕が思い描くのは、「段取り」「場を読む能力」「表現する能力(場を変える能力)」の、
3つの流れを揃えておくことが大切だと思います。

番組中で何度か「業界分析が不十分だよね」っていうことばが出ていました。
これは「段取り」にあたります。

1業界に1社しかないなんてことは、ベンチャーでない限りありえません。
会社の社風にだけ興味があって、業界に興味がない人もいないでしょう。
例えば、トヨタに興味があるけど自動車業界に興味はないなんてことは無いはずです。

そこは面接官もわかっているので、なんでウチの会社なのかをしきりに聞きたがります。
面接の時間すべてに、この質問が根本にあると思ってもいいくらいに。

たとえば、自分の▲▲大学の推薦入試であなたが面接官を務めたとして。
受験生が、「物理学に興味があります。だから入学させてください」っていう人と、
「物理学の▲▲大学●●教授の本を読んで、大学でより高度な勉強をしてみたいと思いました」って人が
いたら、後者をとりませんか?

この会社(大学)でしか駄目だという理由があるからです。

この理由を明確にするためには事前に会社のことを調べて理解しなければいけません。
これが「段取り」です。

だからある程度、面接前に差がついてしまっている場合があります。
この差は、「面接の神様2005」でも見ることができました。
そして、「段取り」が良い人の話は現実味があるので、人事の聞き方も違いました。


次に「場を読む能力」です。

これは、まず「質問に的確に答える」ことが基本です。
緊張してて的外れな質問をする人や、そもそも質問を理解できていない人もいますが、
そこは落ち着いて、しっかりと理解することで解決します。

的確に答えるのが基本だと書きました。
この基本だけでは、面白みを出せないのが面接です。
応用してみたくなりますよね。

この応用に当たるのが、話を広げる部分です。

住友商事の面接を受けた青山学院大学の女性に対する講評で、
伊集院光氏が「話を膨らませて多少外れるところもあるんだけど、
最終的には話を元に戻すことができる、その力がすごく高い」と話しています。

どこまでも膨らまして、外しすぎると、質問の原点に戻ってこれません。
ここは受験してる学生のウデの見せ所です。

自分の土俵まで話を引っ張ってきた上で、面接官の質問に的確に答えるところで終える。
これをするためには、「場を読む能力」で面接官の反応を見る。質問の内容をしっかりと理解する。
話を広げながらも面接官がついて来ているか確認する。
この能力を磨く必要があります。


最後に「表現する能力(場を変える能力)」です。
質問に答えるのが面接ですが、自分の色を出しながらその質問に答えることが、
面接官にはこの人の個性だと映ります。

日産自動車の面接で、女性のEさん(学校名不問なので)はこう答えてます。
「日産はドライバーだけでなく、同乗者に優しい車をコンセプトに車を開発していますよね。
私は車が好きですが免許を持っていません。
いつも助手席に座るので、このコンセプトがすごくよくわかります」というような回答をしています。
(若干、僕の表現になってますがご了承を。)

普通、自動車会社を受ける人は車が好きなのはもちろん、免許を持ってると思いますよね。
でもこのEさんは、免許を持っていないとカミングアウトしつつ、
同乗者の重要性を語っています。

これはEさんならではの視点ですよね。Eさんらしさ、とも言えます。

車を選ぶのはドライバーとは限らない。
助手席に座る彼女や奥さんに購入決定権があってもおかしくない訳です。

Eさんは独自の視点と、持ち前の表現力で、そのことを語り、
面接官にもそれが伝わりました。

ここで「表現する能力」がないと、ピントがボケた回答になってしまいます。
上記の例だと、免許を持っていない部分だけが強調されてしまう感じです。

個性=自分の視点。こうだとすると、人事も気づいていない視点という可能性も十分あります。
その新しい視点を、表現するにはとても高度な「表現する能力(場を変える能力)」が必要なのです。

日産自動車人事部採用担当課長の立原さんは
「自分の言葉で、飾らない言葉で伝わってきたのが良い」と講評で話しています。

自分の視点を説明すると、必然的に「自分の言葉」になるはずです。

以上が、番組でやっていたガチンコ面接について、
僕が思ったこと、感じたことです。
(ここまできて書くのもなんですが、番組の詳細な解説だと思った方、すみません。
だれかからビデオをかりて見てください。)